電話代行を活用してバーチャルオフィスを設立

インターネットでのビジネスが定着するに従い、起業も小資金でできるようになった。ネット上に会社を持てば、事務所は別に必要もない。電話を受ける事務員さんは電話代行を頼めばよい。電話代行を活用すれば、ひと月あたり数千円ほどで電話を自社名で受け継いでくれる。実際に人を雇えば安くても数万円はするはずだ。どちらがよいだろうか。
コールセンターには大きく分けて、受信業務を行うものと、発信業務を行うものがある。受信業務は主に、ユーザからの問い合わせや注文を受けるためのコールセンターだ。発信業務は、個人や企業へ向けたサービスや商品の営業電話を架けるためのコールセンターだ。時間あたりの受信・発信数を増やすために、大人数が勤務するコールセンターは少なくない。
 「月と蟹(かに)」(文芸春秋)で第144回直木賞を受賞した道尾秀介さん(35)は、ウォレットチェーンを付けたタイトなブラックジーンズ姿で会見。“5度目の正直”での受賞だ。

 −−まず受賞を受けて

 「うれしいです」

 −−5回連続の直木賞候補。2年半待ち続けていたわけですが長かったですか

 「これからずっと作家として生活する中で、2年半なんてほんの一瞬。長いなんて言ったら先輩作家に怒られる。でも担当編集者がやきもきしていたので、取れてよかった」

 −−ノミネートされた5作品は、すべて“違う球”ですね。常に新しい小説を書こうと意図的にチャレンジしているように見えます

 「『こんな本があったら読みたいな』と自分が思うものを書く−。これを繰り返してきた。1冊読んだら、今度はまるっきり違うものが読みたくなるので」

 −−選考委員の宮部みゆきさんが、小学5年生の世界に限定した舞台設定を「チャレンジング」と評していた。小学5年生が主人公であることは、何か意味がありますか

 「小学2、3年生だと親の存在に頼ってしまうし、逆に6年生、中学1年生だと親に反発することになる。ちょうど5年生は丸腰の状態という感じ。どうやって戦うんだろうというのを書きたかった」

 −−受賞をまず誰に報告しましたか

 「バーのマスター。同じ年で、自分のことのように喜んでくれました」

 −−自分にごほうびは?

 「うーん、特にないですね」

 −−NHKのインタビュー番組「トップランナー」で以前、「直木賞をとります」と宣言されていたが、その通りになりましたね

 「いや、僕は人前、特にテレビカメラが回っているときは、そういうことを言ってしまうんです。実力以上のことをあえて言って、『絶対、恥をかきたくない』と自分を追い込む。それで過去4回、恥をかいてるわけですが(笑)」

 −−淡々とされていますね

 「いえ、(直木賞の)候補になるだけですごいことで、喜びを味わい尽くしています。もちろん、落選より入選の方がいいですが」

 −−以前「映像にできないものを書きたい」と話していましたが

 「電子機器が発達し、電車の中で映画を見られる時代。だからこそ、言葉でしか表現できないことを書きたい」

 −−今後の抱負を

 「小説を初めて書いたのは19のとき。このような大きな文学賞をもらうことになり、今までの自分のやり方が間違ってなかったんだなあと思った。これからもずっと、こんな本があったらいいなというものを書き続けていきたい」

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 第144回芥川賞に選ばれた朝吹真理子さんは、黒いカットソーにエレガントなスカート姿で会見場に現れ、「えーと」と何度も言葉を選びながら、丁寧に自らの作品世界について語った。

 −−ひとこと

 「芥川賞の最終候補にしていただくまで、日本文学振興会の方に作品を読んでいただきありがとうございます。作品を手にしていただき、賞をちょうだいしたことに、うれしい気持ちと畏怖の両方がないまぜになっています」

 −−お父さん(詩人で仏文学者の朝吹亮二氏)へはどう報告を

 「両親へは電話で受賞を報告しました。よかったねと」

 −−フランス文学と自作との関係は

 「フランス文学は大切に思うし、好きな詩も小説もありますが、大文字の『フランス文学』と自分との関係を思ったこともないし、家庭環境と自分の作品を照らす感じで考えたこともありません」

 −−何をして待っていましたか

 「読売新聞の書評を書いておりました(笑)。電話でお知らせをいただいて、人間、本当にうれしいときは、無表情に近い顔になるのだなあと。電話を切ったあとは、畏怖の気持ちが強くなった」

 −−畏怖の中身とは

 「えーと…(しばし沈黙)。選考委員の方に限らず、読者のあなたに届ける手紙のような気持ちで小説を書いています。最初から最後まで読んでも、途中から読んでも、飛ばしても、どう読んでも自由なのが、小説と読み手の幸福な関係だと思っていて、どきどきしながら、そっと読者というあなたに差し出すのですが、たくさんの本を読み続けてこられた委員の方がどのように作品を手にされたのかと思うと…畏怖します」

 −−受賞で多くの方に作品が伝わる

 「うれしく思います。引き出しに、これはメタファー(比喩)ですれど、終わるか終わらないかわからない作品を書いていた。それが読者というあなたの元に届いて、反応がある、作品を通してのやりとりがあると思うとワクワクする」

 −−作品の中身はフィクションか

 「『きことわ』という作品は、ほとんどがフィクション。ウソによってウソを完成させることを目標にしています。葉山というのは子供のころに行ったことのある土地です。記憶のある土地をジャンプ台みたいなかたちとして、より面白く完成度の高いウソになると思って、葉山を舞台にした。起こったことはフィクションです。小説が面白いと思えるのは、ウソがウソとして機能していて、それが反転して真(マコト)に変わってくるところ。読み手に伝わったときにくるっと反転して真実として突き刺さってくることが面白い」

 −−今後、どんな作品が書きたいですか

 「わたくしは伝えたいメッセージや書きたいことがあって書く行為を始める書き方をしません。どのような書き方をするか、確固たるイメージをもっているわけではありません。個人的に読み続けている大江健三郎さんや町田康さんといったみなさんの書き続ける行為のように、一作一作、目の前に書きつつあるものを、自分の手から離すこと(作品になること)に、つねに集中しています」

 −−文学としての水源はどこに

 「水にからめて心境を申し上げますと、川のある場所にいる感じ。始まりと終わりをまなざすことができない。どこに向かっているかは、認識しているわけではありません」

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